ライアは遠巻きに視線を向けて来るが話しかけてくる訳でもなくカウンターに席を取るとユージーンと何やら雑談を始めた。無口で通っているユージーンが親しい間柄でも無い客と会話をするのはとても珍しい事だった。
密かにその様子を眺めていたが、ともなくしてエリィが来て隣に同席する。
最近よく見るこの二人はすっかりとこの酒場の常連客だ。
エリィはライアと楽しげに談笑しながらもこちらに気づくと手を振ってくれる。スズランもぎこちなく手を振り返すがどうも気分が晴れない。
「エリィさん、いつもあの人と何のお話してるのかな…」
何故か取り残された様な気持ちになる。だがセィシェルの何処か不安そうな顔と例の約束が頭をよぎりスズランの好奇心を抑止する。
だが、スズランの視線は自然とライアの横顔を盗み見ていた。
エリィに向けられるのは人懐っこい笑顔に印象的な瞳。時折耳に届く優しげで楽しそうな笑声。
どれをとってもセィシェルが彼を〝危ない〟と主張する理由が分からなかった。それでもスズランは約束を守り、ライアを露骨に避け続けていた。
とは言えエリィはもちろんの事、ユージーンにソニャ、セィシェル本人さえも注文を取る時などはライアと普通に接触している事に納得がいかない。スズランは次第にそう感じる様になってきていた。
「むうぅ。なんでわたしだけあの人に近づいちゃだめなの…?」
密かにその様子を眺めていたが、ともなくしてエリィが来て隣に同席する。
最近よく見るこの二人はすっかりとこの酒場の常連客だ。
エリィはライアと楽しげに談笑しながらもこちらに気づくと手を振ってくれる。スズランもぎこちなく手を振り返すがどうも気分が晴れない。
「エリィさん、いつもあの人と何のお話してるのかな…」
何故か取り残された様な気持ちになる。だがセィシェルの何処か不安そうな顔と例の約束が頭をよぎりスズランの好奇心を抑止する。
だが、スズランの視線は自然とライアの横顔を盗み見ていた。
エリィに向けられるのは人懐っこい笑顔に印象的な瞳。時折耳に届く優しげで楽しそうな笑声。
どれをとってもセィシェルが彼を〝危ない〟と主張する理由が分からなかった。それでもスズランは約束を守り、ライアを露骨に避け続けていた。
とは言えエリィはもちろんの事、ユージーンにソニャ、セィシェル本人さえも注文を取る時などはライアと普通に接触している事に納得がいかない。スズランは次第にそう感じる様になってきていた。
「むうぅ。なんでわたしだけあの人に近づいちゃだめなの…?」



