ここは仕事場、今は仕事中だ。ぼんやりとしてなどいられない。スズランは気合いを入れ直した。だが───。
どうにも視線を感じる。最初は気のせいかと思ったが店内の何処にいても強い視線がスズランを射抜くのだ。しかしどうする事も出来ない。何故なら自らそう〝約束〟したのだから。その男には近づかない、と……。
(なんでこんなに見るの〜? 気のせい、じゃないよね? な、何か緊張する…)
ライアからの強い視線に気づかないフリを続けていると、痺れを切らしたエリィが席を立ち近づいて来た。
「はぁい、スズランちゃん! お店、今日も大盛況ね。注文お願いしたかったのだけど、貴女なかなか気づかないからあたしから来ちゃった」
「エリィさん! ……すみません」
まさかエリィと一緒に居る人物を避けていたなど言える訳がない。
「ふふ、いいのよ。それよりもあたし今一緒に飲んでるヒトがいてね、あの角の席なんだけど見える?」
エリィが正にその避けている人物を指さした。
「……えっと」
誤魔化して曖昧な返事をするとエリィはスズランの耳元に唇を近づけて囁いた。
「ね、彼。とっても素敵だと思わない?」
「ひゃっ…ええっと。は、はい…」
どうにも視線を感じる。最初は気のせいかと思ったが店内の何処にいても強い視線がスズランを射抜くのだ。しかしどうする事も出来ない。何故なら自らそう〝約束〟したのだから。その男には近づかない、と……。
(なんでこんなに見るの〜? 気のせい、じゃないよね? な、何か緊張する…)
ライアからの強い視線に気づかないフリを続けていると、痺れを切らしたエリィが席を立ち近づいて来た。
「はぁい、スズランちゃん! お店、今日も大盛況ね。注文お願いしたかったのだけど、貴女なかなか気づかないからあたしから来ちゃった」
「エリィさん! ……すみません」
まさかエリィと一緒に居る人物を避けていたなど言える訳がない。
「ふふ、いいのよ。それよりもあたし今一緒に飲んでるヒトがいてね、あの角の席なんだけど見える?」
エリィが正にその避けている人物を指さした。
「……えっと」
誤魔化して曖昧な返事をするとエリィはスズランの耳元に唇を近づけて囁いた。
「ね、彼。とっても素敵だと思わない?」
「ひゃっ…ええっと。は、はい…」



