同時にハリの持つあらゆる感情が大きな波の如く一度に押し寄せる。当然の如く、スズランの頭の中は混濁し、己が誰なのかも危うくなってくる。
「……っぁあ、、いやぁ…、ああ…」(──悲しい……寂しい……これは、ハリさんの感情、、なの?)
熱い。身体が、心臓が燃え尽きてしまいそうだ。
「なっ? しまったっ! しっかりするんだスズラン!」
「っい、いや……ぜんぶ、いらない…!」
勝手に言葉を紡ぐ唇。
頭の中に自分とは異なる思考がなだれ込み、次々と侵食されていく。自我が消えていく──。
「夢の中だから干渉共有が生じてるのか…!? 起きるんだ! お願いだから目を覚ましてくれ!」
「もう、どうでもいい……なにも…、いらない」(ちがう! い、嫌……このままじゃ…っ)
「くっ……駄目だ。こんなの、これじゃあスズランが壊れてしまう。どうすれば…っ」
ライアが強く抱き締めてくれる。だが、それでも為す術がない。
思えば本当にいつも助けてもらってばかりだった。以前お礼の言葉を伝えそびれて後悔した事、些細なすれ違いや想い悩んだ夜。その全てが遥か昔の出来事の様に感じた。
思考の干渉共有によってハリの感情が上書きされてしまえばそんな思い出の数々も消えてしまうのだろうか。
(だめ! この想いだけは、、ぜったいに消したくないっ…!)
「……っぁあ、、いやぁ…、ああ…」(──悲しい……寂しい……これは、ハリさんの感情、、なの?)
熱い。身体が、心臓が燃え尽きてしまいそうだ。
「なっ? しまったっ! しっかりするんだスズラン!」
「っい、いや……ぜんぶ、いらない…!」
勝手に言葉を紡ぐ唇。
頭の中に自分とは異なる思考がなだれ込み、次々と侵食されていく。自我が消えていく──。
「夢の中だから干渉共有が生じてるのか…!? 起きるんだ! お願いだから目を覚ましてくれ!」
「もう、どうでもいい……なにも…、いらない」(ちがう! い、嫌……このままじゃ…っ)
「くっ……駄目だ。こんなの、これじゃあスズランが壊れてしまう。どうすれば…っ」
ライアが強く抱き締めてくれる。だが、それでも為す術がない。
思えば本当にいつも助けてもらってばかりだった。以前お礼の言葉を伝えそびれて後悔した事、些細なすれ違いや想い悩んだ夜。その全てが遥か昔の出来事の様に感じた。
思考の干渉共有によってハリの感情が上書きされてしまえばそんな思い出の数々も消えてしまうのだろうか。
(だめ! この想いだけは、、ぜったいに消したくないっ…!)



