(……どうして?)
意識がぼやけていく中、胸が押し潰されそうになった。苦しくて寂しくてどうしようもない……そんな感情が流れ込んで来る度に、ハリもまた助けを求めているのだと強く感じた。
激しく脈を打つ心臓がうるさい。目頭が熱く、目の前が真っ赤になってゆく。様々な感情が混ざり合い、既にどちらのものか分からないまま溢れだしそうだった。
「たすけて…っ、ライア…」
──無意識に声をあげた。
自ら拒絶を示した癖に、結局その名を呼んでいた。
本当はずっと傍に居たい。傍で寄り添い、支えていきたい。そう願っていた。だがそれは自分の役目ではないのだと分かってしまったあの日から。もう彼の傍には居られない……と、苦渋の決断をして乗り越えた筈だったのに。
耳の奥に、外れた首輪飾りが床に落下したであろう冷たい金属音が響く。
「───スズラン!!」
それをかき消す呼び声と同時に、暖かく柔らかい風が大量に吹き込んでくる。
「……っ?」
「!?」
突然の事にハリの手の力が緩み、支えを失ったスズランはそのまま力なく床の上に崩れ落ちた。
「っあ…、く…」
解放された身体は息の仕方を忘れたのか、浅く空気を取り込もうとしては嘔吐くのを繰り返す。
意識がぼやけていく中、胸が押し潰されそうになった。苦しくて寂しくてどうしようもない……そんな感情が流れ込んで来る度に、ハリもまた助けを求めているのだと強く感じた。
激しく脈を打つ心臓がうるさい。目頭が熱く、目の前が真っ赤になってゆく。様々な感情が混ざり合い、既にどちらのものか分からないまま溢れだしそうだった。
「たすけて…っ、ライア…」
──無意識に声をあげた。
自ら拒絶を示した癖に、結局その名を呼んでいた。
本当はずっと傍に居たい。傍で寄り添い、支えていきたい。そう願っていた。だがそれは自分の役目ではないのだと分かってしまったあの日から。もう彼の傍には居られない……と、苦渋の決断をして乗り越えた筈だったのに。
耳の奥に、外れた首輪飾りが床に落下したであろう冷たい金属音が響く。
「───スズラン!!」
それをかき消す呼び声と同時に、暖かく柔らかい風が大量に吹き込んでくる。
「……っ?」
「!?」
突然の事にハリの手の力が緩み、支えを失ったスズランはそのまま力なく床の上に崩れ落ちた。
「っあ…、く…」
解放された身体は息の仕方を忘れたのか、浅く空気を取り込もうとしては嘔吐くのを繰り返す。



