「スズラン、初めは俺の事嫌ってただろ? 夢を壊したら悪いと思って言い出せなかったのと、後はやっぱり照れて言えなかったんだ。ごめん」
「ちがう…っライアのこと嫌ってなんかないの! セィシェルが近づいちゃ駄目ってすごく怒るし、それにわたしが勝手に嫉妬をしてっ…あ、でも嫌な思いさせてわたしこそごめんなさい…」
「そうなのか? じゃあお互い様って事で、相子だな」
ライアの声が耳に届く度心地が良くなる。大好きな瑠璃色の瞳。屈託のない笑顔。
全てが本当ならばどれだけ良いか──。
「こ、これ夢じゃないよね? ……もしかして今日の出来事ってぜんぶ夢!? だって、ライアと街のお祭り一緒に見て、一緒にデート! やっぱり夢かも……それで夢の人がライアで、でもライアが夢じゃないって、うぅ…、なんだか頭の中がくるくるする…」
「くくっ。落ち着けって、夢じゃあないよ。ほらおいで」
夢じゃあない……本当に?
目を覚ました瞬間、全が泡沫の如く消えてしまったら──?
「ん、んんっ…くるしいよ、ライア」
抱きしめられる感覚はまるで本物なのに何故か胸が苦しい。裏腹に足元はやけに浮つく。やはりこれは都合の良い〝夢〟なのだ。
「───こんなの、全部嘘なのに」
「ちがう…っライアのこと嫌ってなんかないの! セィシェルが近づいちゃ駄目ってすごく怒るし、それにわたしが勝手に嫉妬をしてっ…あ、でも嫌な思いさせてわたしこそごめんなさい…」
「そうなのか? じゃあお互い様って事で、相子だな」
ライアの声が耳に届く度心地が良くなる。大好きな瑠璃色の瞳。屈託のない笑顔。
全てが本当ならばどれだけ良いか──。
「こ、これ夢じゃないよね? ……もしかして今日の出来事ってぜんぶ夢!? だって、ライアと街のお祭り一緒に見て、一緒にデート! やっぱり夢かも……それで夢の人がライアで、でもライアが夢じゃないって、うぅ…、なんだか頭の中がくるくるする…」
「くくっ。落ち着けって、夢じゃあないよ。ほらおいで」
夢じゃあない……本当に?
目を覚ました瞬間、全が泡沫の如く消えてしまったら──?
「ん、んんっ…くるしいよ、ライア」
抱きしめられる感覚はまるで本物なのに何故か胸が苦しい。裏腹に足元はやけに浮つく。やはりこれは都合の良い〝夢〟なのだ。
「───こんなの、全部嘘なのに」



