「もちろん。此処で出会った時から、そしてこれから先もずっと」
「そうなんだ…」(これから先も、ずっと……)
「当時はその子もまだ幼くて舌っ足らずが可愛かったんだよ。俺の名前が言えなくてライアって言ったり、それどころか自分の名前すらちゃんと…、ん? どうしたスズラン」
「っ…何でもないの、ただライアがすごく嬉しそうに話すから、ほんの少し焼きもち……ごめんなさい、大切な思い出なのに」
ライアの大切な人との大切な思い出。
初恋の相手に対しても極上の笑みを見せたのだろうか。自分が特別だとは決して思っていなかった筈。それなのに胸の痛みは大きくなる一方だ。
この場所が夢の中の場面と似ている事すら霞みそうな程に。
「スズラン、そんな顔しないでくれ。俺そこ意地悪して悪かったよ」
「ううん。ただ本当にわたしの見る夢の場所とここがそっくりだから、ライアが夢の人ならいいのにって…」
もう限界だ。これ以上喋ると泣いてしまいそうになる。そう思い隠す様に俯くとますます涙が零れそうだった。
「ああ、もう…! 何で…」
「きゃ…!」
突然に強く抱きしめられた。
心地の良い少し低めの甘い声が耳に響く。
「そうなんだ…」(これから先も、ずっと……)
「当時はその子もまだ幼くて舌っ足らずが可愛かったんだよ。俺の名前が言えなくてライアって言ったり、それどころか自分の名前すらちゃんと…、ん? どうしたスズラン」
「っ…何でもないの、ただライアがすごく嬉しそうに話すから、ほんの少し焼きもち……ごめんなさい、大切な思い出なのに」
ライアの大切な人との大切な思い出。
初恋の相手に対しても極上の笑みを見せたのだろうか。自分が特別だとは決して思っていなかった筈。それなのに胸の痛みは大きくなる一方だ。
この場所が夢の中の場面と似ている事すら霞みそうな程に。
「スズラン、そんな顔しないでくれ。俺そこ意地悪して悪かったよ」
「ううん。ただ本当にわたしの見る夢の場所とここがそっくりだから、ライアが夢の人ならいいのにって…」
もう限界だ。これ以上喋ると泣いてしまいそうになる。そう思い隠す様に俯くとますます涙が零れそうだった。
「ああ、もう…! 何で…」
「きゃ…!」
突然に強く抱きしめられた。
心地の良い少し低めの甘い声が耳に響く。



