「……」
一番知りたい事を口にすると、ライアは繋いだ手を強く握り返したまま黙り込んでしまう。しかし、どうしても知りたかった。
「わたし、ライアの事もっと知りたい…!」
以前から感じていた。初めて出会ったあの祭りの日よりも、もっと前からスズランの事を知っている様に思えた。もしそれ以前に出会っているとしたら、思い当たる記憶はたった一つ。だがそれは……。
スズランは確かめる為にもしっかりとライアの瞳を見つめた。
小川に架かる小さな石橋の上。
絡み合う二人の視線を優しい風が通り抜け、ライアの柔らかさそうな髪がふわりとさらわれる。あの髪に触れたらどんな気持ちになるのだろう。吸い込まれそうな程深い青い瞳に射抜かれる。意思の強そうな眉、鼻筋までかかる前髪から除く端正な顔立ちに見蕩れてしまう。
「──俺もスズランの事、知りたい……けどその前に俺の昔話をしてもいい?」
甘く、それでいて凛とした明瞭な声にはっとする。
「ライアの昔の…、お話?」
「……少し恥ずかしいけど俺の初恋…。とも呼べない様な、でも大切な思い出なんだ」
「……ライアの初恋! ……うん、聞きたい! でもちょっとだけ焼きもち妬いちゃうかもしれないけど…」
一番知りたい事を口にすると、ライアは繋いだ手を強く握り返したまま黙り込んでしまう。しかし、どうしても知りたかった。
「わたし、ライアの事もっと知りたい…!」
以前から感じていた。初めて出会ったあの祭りの日よりも、もっと前からスズランの事を知っている様に思えた。もしそれ以前に出会っているとしたら、思い当たる記憶はたった一つ。だがそれは……。
スズランは確かめる為にもしっかりとライアの瞳を見つめた。
小川に架かる小さな石橋の上。
絡み合う二人の視線を優しい風が通り抜け、ライアの柔らかさそうな髪がふわりとさらわれる。あの髪に触れたらどんな気持ちになるのだろう。吸い込まれそうな程深い青い瞳に射抜かれる。意思の強そうな眉、鼻筋までかかる前髪から除く端正な顔立ちに見蕩れてしまう。
「──俺もスズランの事、知りたい……けどその前に俺の昔話をしてもいい?」
甘く、それでいて凛とした明瞭な声にはっとする。
「ライアの昔の…、お話?」
「……少し恥ずかしいけど俺の初恋…。とも呼べない様な、でも大切な思い出なんだ」
「……ライアの初恋! ……うん、聞きたい! でもちょっとだけ焼きもち妬いちゃうかもしれないけど…」



