「関係ない。それでも俺は…っ」
確かにラインアーサは取り憑かれた様に公務をこなしていた。それは何かに打ち込んでいなければ時を持て余してしまいそうだったからだ。だが、敢えてそうしているとは言い難く言葉に詰まる。
「親父、何言っても無駄だって。こいつ意外と頑固者だからな。一度言い出したら絶対に曲げないぜ」
「セィシェル……」
居間の出入口に凭れたまま、黙っていたセィシェルが突然口を開いた。それも珍しくラインアーサを援護する発言だ。ユージーンは額に手をあて俯いたが、最早怒る気力も無い様だ。セィシェルはラインアーサの前まで来ると、思い切り食台に手をついて凄む。その振動で珈琲のカップが摩擦音を立てる。
「それに。スズを探しに行けるのはあんただけなんだ、だったらあんたが行くしかねえだろ!」
「ああ」
「あいつ、どっかで迷子になってるんだ。早く迎えに行ってくれ」
「分かってる、絶対に連れ戻す。……それにしても、本当に今日は槍と一緒に飴玉でも降りそうだな」
「っ…うるせえ! 迎えに行けるんなら俺だってそうする…」
気持ちは皆、同じである。特にセィシェルからは怒りと悔しさの入混ざった感情が滲み出ていた。
確かにラインアーサは取り憑かれた様に公務をこなしていた。それは何かに打ち込んでいなければ時を持て余してしまいそうだったからだ。だが、敢えてそうしているとは言い難く言葉に詰まる。
「親父、何言っても無駄だって。こいつ意外と頑固者だからな。一度言い出したら絶対に曲げないぜ」
「セィシェル……」
居間の出入口に凭れたまま、黙っていたセィシェルが突然口を開いた。それも珍しくラインアーサを援護する発言だ。ユージーンは額に手をあて俯いたが、最早怒る気力も無い様だ。セィシェルはラインアーサの前まで来ると、思い切り食台に手をついて凄む。その振動で珈琲のカップが摩擦音を立てる。
「それに。スズを探しに行けるのはあんただけなんだ、だったらあんたが行くしかねえだろ!」
「ああ」
「あいつ、どっかで迷子になってるんだ。早く迎えに行ってくれ」
「分かってる、絶対に連れ戻す。……それにしても、本当に今日は槍と一緒に飴玉でも降りそうだな」
「っ…うるせえ! 迎えに行けるんなら俺だってそうする…」
気持ちは皆、同じである。特にセィシェルからは怒りと悔しさの入混ざった感情が滲み出ていた。



