訳知り顔でにこりと笑みを深めるコルトに、セィシェルもスズランも首を傾げる。
「まあ、ユージーン殿のあのご様子では知らないのも致し方ないのでしょう。詳しいお話は彼本人にお聞きください。……さて。急かす様ですがそろそろ」
ずっと温和な態度だったコルトが語尾を強めた。王宮に行くと決めたのは自分なのだ。不安がってなどいられない、ここからはしっかりとしなくては。
「わたし、いってくるね…!」
「ああ……」
石橋の上にセィシェルを一人残してコルトの後を追う。途中、一度だけ振り返ったが「早く行けよ」と追い払う仕草をしたセィシェルに後押しされしっかりと前を向く。
今まで何度もこの場所に足を運んできたが、石橋を渡るのは今日が初めてだ。
一歩、また一歩と踏み出す度に妙な緊張感が襲う。重ねて、視界に入って来る風景もスズランを圧倒するには十分だった。
昼下がりも過ぎ、もう夕刻に差し迫る時間帯。だいぶ傾いた陽射しが細部まで整備のされた花園に降り濯ぎ、見事な美を誇っている。これ程までに美しい庭園は見たことも無い。視線を上げれば薄茜色に染められた白亜の王宮が高くそびえている。
スズランは王宮を見据えて息を飲んだ。
「まあ、ユージーン殿のあのご様子では知らないのも致し方ないのでしょう。詳しいお話は彼本人にお聞きください。……さて。急かす様ですがそろそろ」
ずっと温和な態度だったコルトが語尾を強めた。王宮に行くと決めたのは自分なのだ。不安がってなどいられない、ここからはしっかりとしなくては。
「わたし、いってくるね…!」
「ああ……」
石橋の上にセィシェルを一人残してコルトの後を追う。途中、一度だけ振り返ったが「早く行けよ」と追い払う仕草をしたセィシェルに後押しされしっかりと前を向く。
今まで何度もこの場所に足を運んできたが、石橋を渡るのは今日が初めてだ。
一歩、また一歩と踏み出す度に妙な緊張感が襲う。重ねて、視界に入って来る風景もスズランを圧倒するには十分だった。
昼下がりも過ぎ、もう夕刻に差し迫る時間帯。だいぶ傾いた陽射しが細部まで整備のされた花園に降り濯ぎ、見事な美を誇っている。これ程までに美しい庭園は見たことも無い。視線を上げれば薄茜色に染められた白亜の王宮が高くそびえている。
スズランは王宮を見据えて息を飲んだ。



