この上ない至福を堪能し満足した後、起こしてしまわぬようにベッドから抜け出るつもりが、それは叶わなかった。
「もう起きるの…?」
少し甘えた囁きと同時に背中から伸びてきた腕に捕まる。
「っ…ライア! 起こしちゃった?」
「んー・・・」
まだだいぶ眠たそうな声だが、長い腕はスズランを離そうとしないどころかきつく絡みつく。
「も、もうそろそろ起きないと…」
「……さっき眠ったばかりなのに」
確かに二人が共に微睡んだのは明け方近くだ。
「でも」
「身体、大丈夫? どこか痛かったりしたら教えて」
そう言われて初めて身体中に残る気だるさを認識する。だが動けないほど酷いという訳でもない。
「へいき……ぁ…っ、んん…」
言いかけた次の瞬間、全身に甘い痺れが駆け巡った。ラインアーサの癒しの風だ。
彼は〝風の息吹〟を使った癒しの煌像術が得意なのだ。甘い痺れと共に身体の不調等が消し飛ぶ。
「たくさん無理させたから、念の為」
「平気なのに……」
毎回思う。得意だからと言って頻繁に力を使い過ぎではないかと。
それにどうしても昨晩の艶事を思い出してしまう。汗で冷えた筈の身体が再び熱を持ち始める。
「もう起きるの…?」
少し甘えた囁きと同時に背中から伸びてきた腕に捕まる。
「っ…ライア! 起こしちゃった?」
「んー・・・」
まだだいぶ眠たそうな声だが、長い腕はスズランを離そうとしないどころかきつく絡みつく。
「も、もうそろそろ起きないと…」
「……さっき眠ったばかりなのに」
確かに二人が共に微睡んだのは明け方近くだ。
「でも」
「身体、大丈夫? どこか痛かったりしたら教えて」
そう言われて初めて身体中に残る気だるさを認識する。だが動けないほど酷いという訳でもない。
「へいき……ぁ…っ、んん…」
言いかけた次の瞬間、全身に甘い痺れが駆け巡った。ラインアーサの癒しの風だ。
彼は〝風の息吹〟を使った癒しの煌像術が得意なのだ。甘い痺れと共に身体の不調等が消し飛ぶ。
「たくさん無理させたから、念の為」
「平気なのに……」
毎回思う。得意だからと言って頻繁に力を使い過ぎではないかと。
それにどうしても昨晩の艶事を思い出してしまう。汗で冷えた筈の身体が再び熱を持ち始める。



