やっとの思いでシュサイラスア大国まで辿り着いたというのに、こんな所で足踏みしている訳にはいかない。
「我々は先を急いでいる。邪魔立てするなら容赦はしない…!」
「へぇ、俺らがガキだからって舐めてんの? やれるってんならやれよ!」
少年は態々挑発する様な口調でアスセナスを煽る。だがここで雷の力を使えばまた追手に居場所を示す可能性がある。それに目の前の少年はまだ未成年だ。正当防衛だとしても本気で危害を加える訳にはいかない。
「ぐっ…!」
「どうしたんだよびびってんのか? だったら遠慮なく……あ? 何だよ」
「なっ? …スズ!?」
為す術もなく歯噛みしていると不意にスズランが腕の中からすり抜け、事もあろうに少年の前に間向かうとそのまま物怖じもせず少年をきっと睨みながら声をあげた。
「ねえ。おにいちゃんたちは、わるいやつらなの? パパのこといじめるの?」
「はァ? 何言ってんだこのチビ…」
「まさか…! 駄目だスズ…っ無闇に力を使っては……雷に祈ってはいけない! でないとまた…っ」
「いや! ママがかえってくるまで、スゥがパパのことまもるんだから!」
「っ! ……スズ…。でもパパは大丈夫だから早くこちらに…」
「我々は先を急いでいる。邪魔立てするなら容赦はしない…!」
「へぇ、俺らがガキだからって舐めてんの? やれるってんならやれよ!」
少年は態々挑発する様な口調でアスセナスを煽る。だがここで雷の力を使えばまた追手に居場所を示す可能性がある。それに目の前の少年はまだ未成年だ。正当防衛だとしても本気で危害を加える訳にはいかない。
「ぐっ…!」
「どうしたんだよびびってんのか? だったら遠慮なく……あ? 何だよ」
「なっ? …スズ!?」
為す術もなく歯噛みしていると不意にスズランが腕の中からすり抜け、事もあろうに少年の前に間向かうとそのまま物怖じもせず少年をきっと睨みながら声をあげた。
「ねえ。おにいちゃんたちは、わるいやつらなの? パパのこといじめるの?」
「はァ? 何言ってんだこのチビ…」
「まさか…! 駄目だスズ…っ無闇に力を使っては……雷に祈ってはいけない! でないとまた…っ」
「いや! ママがかえってくるまで、スゥがパパのことまもるんだから!」
「っ! ……スズ…。でもパパは大丈夫だから早くこちらに…」



