底知れぬ気味の悪さにアスセナスは身構えた。
(な、何だ…?)
「なぁんてね。そう簡単には騙されないか。はは…っ、まあいいケド。へえ、よく見たらもう一人いるじゃん! さあさあ、二名様のご案内〜!」
少年がそう声を張り上げると細い路地から更に数人の少年が飛び出してきてあっという間に囲まれてしまった。
「お呼びですか? 兄貴ぃ」
「オレたちもお手伝いしますぜ!」
「揃ったか。じゃあ男の方はとっとと人買いに、抱いてるガキの方は、そうだな……とりあえず花街にでも売っぱらえば少しは金になるだろ」
少年たちは慣れた手つきで素早くアスセナスの両足を押さえつけ動きを封じた。
「なっ? やめろ!! 娘にさわるなっ!」
伸びてくる腕を躱して叫ぶとスズランが目を覚ました。深めに被せていたフードを暑そうに取り外して辺りを見渡す。
「んんぅ…、ぱぱぁ? もうお宿についたの?」
「へえ、女じゃんか。まだまだガキだけど随分と上玉だな。よく見りゃおっさんも美形だし、もしかしてアンタらどっかの貴族か? かなり珍しい毛色だしなァ、コイツは高値で売れそうだぜ」
「くっ…離せ…!」
「残念。こんな貴重な資金源、俺たちが逃す訳ねえだろ」
ニヤニヤと笑みを浮かべる少年たち。
(な、何だ…?)
「なぁんてね。そう簡単には騙されないか。はは…っ、まあいいケド。へえ、よく見たらもう一人いるじゃん! さあさあ、二名様のご案内〜!」
少年がそう声を張り上げると細い路地から更に数人の少年が飛び出してきてあっという間に囲まれてしまった。
「お呼びですか? 兄貴ぃ」
「オレたちもお手伝いしますぜ!」
「揃ったか。じゃあ男の方はとっとと人買いに、抱いてるガキの方は、そうだな……とりあえず花街にでも売っぱらえば少しは金になるだろ」
少年たちは慣れた手つきで素早くアスセナスの両足を押さえつけ動きを封じた。
「なっ? やめろ!! 娘にさわるなっ!」
伸びてくる腕を躱して叫ぶとスズランが目を覚ました。深めに被せていたフードを暑そうに取り外して辺りを見渡す。
「んんぅ…、ぱぱぁ? もうお宿についたの?」
「へえ、女じゃんか。まだまだガキだけど随分と上玉だな。よく見りゃおっさんも美形だし、もしかしてアンタらどっかの貴族か? かなり珍しい毛色だしなァ、コイツは高値で売れそうだぜ」
「くっ…離せ…!」
「残念。こんな貴重な資金源、俺たちが逃す訳ねえだろ」
ニヤニヤと笑みを浮かべる少年たち。



