「パパ、いっぱいちがでてる! はやくおけがなおさないと…」
「大丈夫だよ。……それよりもスズ…。いや、とりあえず今は少しでも早くここから離れよう…!」
「うん、、でもあのおじさんは?」
勢いが衰えるどころか更に増してゆく炎を見つめる。スズランの問いにアスセナスは俯いて首を振った。
「分からない。助けようにもこの炎を消す力がもう残っていない。いや…、でもどうやら逃げ延びたみたいだ……奴はきっとまた狙って来る」
「じゃあ、またパパをいじめにくるの?」
「ああ、必ず…」
また来る。
そう聞いてスズランはアスセナスにしがみついた。震える手に力を込め、決意のこもった煌めく瞳で真っ直ぐ伝える。
「じゃあスゥ。パパのことまもる…!」
「スズ?!」
「とってもこわいし、まだママみたいにじょうずにできないけど、スゥもがんばるから!」
「……っ」
まだ言葉が辿々しく幼いスズランに、そんな決意をさせてしまった。
アスセナスの瞳から透明な雫がこぼれ落ちる。それは次々と溢れ出して止まりそうにない。
「パパ? どうしたの? なかないで…」
「……いいんだ。頑張らなくても、パパはスズが無事ならそれでいいんだから──」
それから父子は駆り立てられる様にひたすら移動を重ねた。
「大丈夫だよ。……それよりもスズ…。いや、とりあえず今は少しでも早くここから離れよう…!」
「うん、、でもあのおじさんは?」
勢いが衰えるどころか更に増してゆく炎を見つめる。スズランの問いにアスセナスは俯いて首を振った。
「分からない。助けようにもこの炎を消す力がもう残っていない。いや…、でもどうやら逃げ延びたみたいだ……奴はきっとまた狙って来る」
「じゃあ、またパパをいじめにくるの?」
「ああ、必ず…」
また来る。
そう聞いてスズランはアスセナスにしがみついた。震える手に力を込め、決意のこもった煌めく瞳で真っ直ぐ伝える。
「じゃあスゥ。パパのことまもる…!」
「スズ?!」
「とってもこわいし、まだママみたいにじょうずにできないけど、スゥもがんばるから!」
「……っ」
まだ言葉が辿々しく幼いスズランに、そんな決意をさせてしまった。
アスセナスの瞳から透明な雫がこぼれ落ちる。それは次々と溢れ出して止まりそうにない。
「パパ? どうしたの? なかないで…」
「……いいんだ。頑張らなくても、パパはスズが無事ならそれでいいんだから──」
それから父子は駆り立てられる様にひたすら移動を重ねた。



