「っやめろって! スズ!! 頼むからっ…」
「セィシェル、いつもわがまま言って甘えてばっかりでごめんね。今までわたしのことを守ってくれてありがとう。マスターにもそう伝えて……」
哀願するセィシェルに躊躇いなく笑顔を残すと、スズランは意を決して裂け目に飛び込んだ。
途端に空間が、自分自身が、全てが黒暗に呑み込まれ囚われてゆく。酷く冷たい空気が肌を切り付ける。気が遠くなる様な痛みが身体中に走り抜け、声も出せない。
「っ…!!」
傍らで、この恐ろしい空間に何故か既視感を覚えた。しかしそれも一瞬のうちに痛みで掻き消される。
(……ほんの少しでもいい、わたしも…、ライアの役にたちたいの……でも、本当は…)
本当はもう一度会いたかった。
身分が違っていても、許されない想いでも。
(ちゃんと…、伝えたかったな……)
薄れゆく意識の中何とかその名を口にした。
「……ライア…」
「───駄目だ。スズラン…」
「っ…!?」
すぐ近くでライアの声がする。
そんな筈がない。先程と同様、空耳に違いない。それでも無意識のうちに声がした方へと腕を伸ばした。次の瞬間、スズランの手首が熱い何かに掴まれる。そのまま力強く引き寄せられて暖かな腕に抱え込まれた。
「セィシェル、いつもわがまま言って甘えてばっかりでごめんね。今までわたしのことを守ってくれてありがとう。マスターにもそう伝えて……」
哀願するセィシェルに躊躇いなく笑顔を残すと、スズランは意を決して裂け目に飛び込んだ。
途端に空間が、自分自身が、全てが黒暗に呑み込まれ囚われてゆく。酷く冷たい空気が肌を切り付ける。気が遠くなる様な痛みが身体中に走り抜け、声も出せない。
「っ…!!」
傍らで、この恐ろしい空間に何故か既視感を覚えた。しかしそれも一瞬のうちに痛みで掻き消される。
(……ほんの少しでもいい、わたしも…、ライアの役にたちたいの……でも、本当は…)
本当はもう一度会いたかった。
身分が違っていても、許されない想いでも。
(ちゃんと…、伝えたかったな……)
薄れゆく意識の中何とかその名を口にした。
「……ライア…」
「───駄目だ。スズラン…」
「っ…!?」
すぐ近くでライアの声がする。
そんな筈がない。先程と同様、空耳に違いない。それでも無意識のうちに声がした方へと腕を伸ばした。次の瞬間、スズランの手首が熱い何かに掴まれる。そのまま力強く引き寄せられて暖かな腕に抱え込まれた。



