「さあな、それこそオレたちにゃあ関係ねえ。でもアンタが行けばこの事件は解決するんじゃあねえか?」
「わ、わたしが行けば……解決する…?」
その一言がスズランの頭の中を支配した。
「ははっ! 国が躍起になって警邏隊まで組んでも解決出来ない誘拐事件だがよ、アンタ一人の犠牲で解決出来るんだぜ? これ以上被害者が出る事もねえから、あの国王もさぞ安心するだろうよ」
大男は何故か嬉々として語りだす。
ライアが危険を冒してこの事件を追っているのを知った時から、何も力になれない自分が悔しかった。エリィの様な行動力も、ジュリアンの様な信頼関係も、ヴァレンシアの様な有力な情報も。何一つ持っていない自分。だが、自分が犠牲になる事でこの連続誘拐事件を終わらせる事が出来る。
こんな自分でもライアの力になれる───。
スズランはゆっくりと息を飲み込むと覚悟を決めた。
「スズ!? おい、何考えてる? まさか…」
「セィシェル……わたし、行くよ」
「何でだよ! なら俺が行く! 離せ、この!!」
「誰もオマエなんかにゃ用はねえんだ、暴れるんじゃあねえ!」
逃れようと足掻く程、強く押さえ付けられるセィシェル。
「わ、わたしが行けば……解決する…?」
その一言がスズランの頭の中を支配した。
「ははっ! 国が躍起になって警邏隊まで組んでも解決出来ない誘拐事件だがよ、アンタ一人の犠牲で解決出来るんだぜ? これ以上被害者が出る事もねえから、あの国王もさぞ安心するだろうよ」
大男は何故か嬉々として語りだす。
ライアが危険を冒してこの事件を追っているのを知った時から、何も力になれない自分が悔しかった。エリィの様な行動力も、ジュリアンの様な信頼関係も、ヴァレンシアの様な有力な情報も。何一つ持っていない自分。だが、自分が犠牲になる事でこの連続誘拐事件を終わらせる事が出来る。
こんな自分でもライアの力になれる───。
スズランはゆっくりと息を飲み込むと覚悟を決めた。
「スズ!? おい、何考えてる? まさか…」
「セィシェル……わたし、行くよ」
「何でだよ! なら俺が行く! 離せ、この!!」
「誰もオマエなんかにゃ用はねえんだ、暴れるんじゃあねえ!」
逃れようと足掻く程、強く押さえ付けられるセィシェル。



