だからと言ってその行いを止める権利など無い。散々迷惑をかけた手前、もうこれ以上心配をかけない様にしっかりしなくては。
「今日もがんばらなくちゃ…」
また長い一日が始まる。
そろそろセィシェルが戻る筈だ。
せめて朝食は一緒に取ろうと、作り置きしてあった雑炊を二人分取り分けた。所が、暫し待てども戻ってこないセィシェル。
「何かあったのかな…?」
外に出るな、と言われたが妙な胸騒ぎがして様子を見に裏玄関の前に立つ。
戸惑いながらも扉を開いた瞬間──、何かが張り詰めた。肌に伝わる早朝の空気の冷たさに背筋がぞくりとした。
一歩外に出ると全身に霧の粒が纒わり付く。何か嫌な予感がする。
突如、怒鳴る様な声が耳に届いた。店の表の方からだ。
「……断わる! 朝っぱらから迷惑だ! これ以上営業妨害するってなら警備隊呼ぶぞ…!!」
濃い霧をかき分け酒場の表に回り込むと、入口の扉を守る様にして立つセィシェルを中年の男達が数人で取り囲んでいる様に見えた。
「セィシェル!? どうしたの? 何か…」
「スズ…? 駄目だ、来るなっ!!」
「えっ?」
見るからに不品行で柄の悪い連中がこちらに視線を寄越した。
「今日もがんばらなくちゃ…」
また長い一日が始まる。
そろそろセィシェルが戻る筈だ。
せめて朝食は一緒に取ろうと、作り置きしてあった雑炊を二人分取り分けた。所が、暫し待てども戻ってこないセィシェル。
「何かあったのかな…?」
外に出るな、と言われたが妙な胸騒ぎがして様子を見に裏玄関の前に立つ。
戸惑いながらも扉を開いた瞬間──、何かが張り詰めた。肌に伝わる早朝の空気の冷たさに背筋がぞくりとした。
一歩外に出ると全身に霧の粒が纒わり付く。何か嫌な予感がする。
突如、怒鳴る様な声が耳に届いた。店の表の方からだ。
「……断わる! 朝っぱらから迷惑だ! これ以上営業妨害するってなら警備隊呼ぶぞ…!!」
濃い霧をかき分け酒場の表に回り込むと、入口の扉を守る様にして立つセィシェルを中年の男達が数人で取り囲んでいる様に見えた。
「セィシェル!? どうしたの? 何か…」
「スズ…? 駄目だ、来るなっ!!」
「えっ?」
見るからに不品行で柄の悪い連中がこちらに視線を寄越した。



