一気に仕事を終わらせるとスズランは薄暗くなってきた空を見上げた。まだ雲は厚く、日没が近づいても美しい夕陽は見られそうにない。流石に青空が恋しくなってくる。
不意に視線を感じ、その方向へと振り返るといつからそこに居たのか裏口の扉に凭れ掛かっているセィシェルと目が合った。
「セィシェル…! どうしたの?」
「!! べ、別に。ちょっと休憩がてら外の空気吸いに来ただけだし」
「そうなの? でも声かけてくれれば良かったのに」
「すぐ戻るから」
駆け寄るとセィシェルは素っ気なく踵を返して中へと戻ろうとした。その背中を追いかけ、急いで言葉を投げかける。
「まってセィシェル! わたしセィシェルにもちゃんと謝りたいの。……昨日は心配かけて、本当にごめんなさい…!」
地下に続く階段の途中で歩みを止め、少しの間無言だったが漸く低めの声が帰ってくる。
「……いいって。謝るなよ、お前がしたくてした事だろ。それに俺が勝手に心配しただけだ…。そもそも親父も俺もお前に過保護過ぎるもんな」
「そんな…」
「だってそうだろ? 俺があんな風に言ったからお前は行動に移したんじゃあねえのかよ…、自分で考えてそうしたんなら俺はもう何も言わねぇから」
不意に視線を感じ、その方向へと振り返るといつからそこに居たのか裏口の扉に凭れ掛かっているセィシェルと目が合った。
「セィシェル…! どうしたの?」
「!! べ、別に。ちょっと休憩がてら外の空気吸いに来ただけだし」
「そうなの? でも声かけてくれれば良かったのに」
「すぐ戻るから」
駆け寄るとセィシェルは素っ気なく踵を返して中へと戻ろうとした。その背中を追いかけ、急いで言葉を投げかける。
「まってセィシェル! わたしセィシェルにもちゃんと謝りたいの。……昨日は心配かけて、本当にごめんなさい…!」
地下に続く階段の途中で歩みを止め、少しの間無言だったが漸く低めの声が帰ってくる。
「……いいって。謝るなよ、お前がしたくてした事だろ。それに俺が勝手に心配しただけだ…。そもそも親父も俺もお前に過保護過ぎるもんな」
「そんな…」
「だってそうだろ? 俺があんな風に言ったからお前は行動に移したんじゃあねえのかよ…、自分で考えてそうしたんなら俺はもう何も言わねぇから」



