《完結》アーサ王子の君影草 中巻 ~幻夢の中に消えた白き花~

「……じゃあ、言葉よりも分かりやすくて手っ取り早い方法、知ってる？」

「し、知らない…」

「今、ここで教えてやろうか？」

　今まで以上に真剣で本能的な熱い視線に戦くも、その瞳から逃れる事は出来ない。怖くないと言えば嘘になるがそれ以上にライアの気持ちが知りたかった。
　言葉よりも分かりやすくて、手っ取り早い方法。それは一体どう言った方法なのだろう……。
　先程の口づけで見え隠れしたライアの気持ち。だが、どうやら言葉では教えてくれそうにない。

「ま、まって！　ライアの言う通り、自分で考えるからいい…っ」

　それこそ自分に都合のいい考えばかりが浮かんできてしまいそうになるが。

「……ごめん。悪かったよ、だからそんなに怯えないでくれ」

（っ…そんなことない！　わたしは…）

　スズランは秘めてきた想いを伝えようと首を振った。そして今度こそ瑠璃色(るりいろ)の瞳を真っ直ぐに見つめ返す。

「ちがうの…、ライア！　あのね、わたし本当はあなたに伝えたい事があって来たの！　わたし、わたしっ！　……あなたの事が、す…っん！」

　しかし一番肝心な言葉を唇で塞がれてしまう。

「っ…ふぅ…！　……んっ…」