物事に疎いスズランでも、流石に無配慮な場に直面して狼狽える。
とんでもなく場違いな所に来てしまった……。スズランは改めて自分の居る所の非常さを再確認した。こんな場所に本当にライアが居るのだろうか、と次第に不安が募る。雨も強まる一方だ。
暴雨に打たれながらも、なんとか目的の酒場らしき、小さな看板を見つけた。古びた建物が並ぶ角地。外壁には控えめに店名が書かれた看板が貼られている。
[ BAL・Anochecer tierra natal ]
「ここ……だよね」
場所と店名を見て、此処で間違いない事を確認する。しかし入口の扉を前にして、手足が竦む。扉の向こうにライアは居るのか。居たとして、どう話しかければ良いだろうか。ここまで来て未知の恐怖に苛まれる。しかし、スズランは頭を左右に振って己を奮い立たせた。
「ライアは雨の中来てくれたもん、わたしもちゃんと伝えなきゃ…!」
勇気を出して扉の取手に手をかけた。が、中から男たち数人の笑声が響いてきた。品のない笑い声にスズランの手は強ばった。
ここは旧市街の酒場だ、やはり客層もユージーンの酒場とは異なるだろう。もし中にこの間の様な輩が居たら…。
とんでもなく場違いな所に来てしまった……。スズランは改めて自分の居る所の非常さを再確認した。こんな場所に本当にライアが居るのだろうか、と次第に不安が募る。雨も強まる一方だ。
暴雨に打たれながらも、なんとか目的の酒場らしき、小さな看板を見つけた。古びた建物が並ぶ角地。外壁には控えめに店名が書かれた看板が貼られている。
[ BAL・Anochecer tierra natal ]
「ここ……だよね」
場所と店名を見て、此処で間違いない事を確認する。しかし入口の扉を前にして、手足が竦む。扉の向こうにライアは居るのか。居たとして、どう話しかければ良いだろうか。ここまで来て未知の恐怖に苛まれる。しかし、スズランは頭を左右に振って己を奮い立たせた。
「ライアは雨の中来てくれたもん、わたしもちゃんと伝えなきゃ…!」
勇気を出して扉の取手に手をかけた。が、中から男たち数人の笑声が響いてきた。品のない笑い声にスズランの手は強ばった。
ここは旧市街の酒場だ、やはり客層もユージーンの酒場とは異なるだろう。もし中にこの間の様な輩が居たら…。



