「っ…俺は……いつかスズと、っ…本当に家族になりたいって、思ってて…、だから…。この間はごめん。でも俺、お前の事妹だと思った事は一度もねぇから! つ、つまり俺…」
「セィシェルっ…わたし、もうぜんぜんひとりぼっちじゃないのに、いつまでも弱音ばっかり言ってごめんなさい…。セィシェルがそう言ってくれてすごくうれしい!」
「っ…いや、だから俺はお前の事…っ!」
「ううん、セィシェルがちゃんと話してくれたのがとってもうれしいの。ありがとう、わたしもセィシェルと本当の家族になれるようにがんばる!」
セィシェルの気持ちが分かり安堵する。先日からずっと思い悩んでいた理由がやっと一つ分かったのだ。
だがセィシェルは納得のいかない表情で声を荒げた。
「…っちゃんと最後まで言わせろよ!!」
「きゃっ…! セィシェル?」
スズランを両腕で閉じ込める様にしてセィシェルが覆い被さってきた。ベッドが二人分の重みで大きく軋みをあげる。切なそうに眉を顰めた顔を見上げると、瞳の奥が僅かに揺れた。
その瞬間、あの日の記憶が蘇る。
───冷たい雨の中。
セィシェルの言い放った言葉が、茨の如くスズランの心に絡みつく。
「セィシェルっ…わたし、もうぜんぜんひとりぼっちじゃないのに、いつまでも弱音ばっかり言ってごめんなさい…。セィシェルがそう言ってくれてすごくうれしい!」
「っ…いや、だから俺はお前の事…っ!」
「ううん、セィシェルがちゃんと話してくれたのがとってもうれしいの。ありがとう、わたしもセィシェルと本当の家族になれるようにがんばる!」
セィシェルの気持ちが分かり安堵する。先日からずっと思い悩んでいた理由がやっと一つ分かったのだ。
だがセィシェルは納得のいかない表情で声を荒げた。
「…っちゃんと最後まで言わせろよ!!」
「きゃっ…! セィシェル?」
スズランを両腕で閉じ込める様にしてセィシェルが覆い被さってきた。ベッドが二人分の重みで大きく軋みをあげる。切なそうに眉を顰めた顔を見上げると、瞳の奥が僅かに揺れた。
その瞬間、あの日の記憶が蘇る。
───冷たい雨の中。
セィシェルの言い放った言葉が、茨の如くスズランの心に絡みつく。



