「そもそも熱出して寝込んでるスズの事を適当な気持ちで看てた俺が悪かったんだ。スズは俺の隙をついて、まだ熱も下がってねえのにまたあの森に行こうとしてて。なんでそうまでして行くんだよ! なんで…って完全に頭に来てさ……」
セィシェルの話を聞きながら何処か違和感を感じた。その頃の記憶は曖昧で、頭の奥に霞がかかっているかの様にぼんやりとしか思い出せない。今は〝あの警備員に会いたい〟という理由があれど、何故幼い頃もあの森に行こうとしていたのだろう。父親を探しに───だろうか。
もう一つ、大切な何かを忘れている様な気がする。
大切な〝約束〟を──。
しかし思い出そうとするとまた顳かみに頭痛が走った。
「…っ…!」
「いや、古い話を持ちだして悪かった。でも本当にあの森は色々と危ないんだぞ? お前は変態に攫われそうにはなるし、俺だって雷に撃たれて死にかけたんだからな!」
「え?」
自分があの森で攫われそうになったという話は何度も聞かされていたので知っている。それそこ全く覚えはないが。しかし、セィシェルが雷に撃たれたという話は初めて聞いた。
「正確には雷の〝側撃〟にだけどな。俺、スズを連れ戻すのに必死で近くで雷が鳴ってても気にしてなかったんだ」
セィシェルの話を聞きながら何処か違和感を感じた。その頃の記憶は曖昧で、頭の奥に霞がかかっているかの様にぼんやりとしか思い出せない。今は〝あの警備員に会いたい〟という理由があれど、何故幼い頃もあの森に行こうとしていたのだろう。父親を探しに───だろうか。
もう一つ、大切な何かを忘れている様な気がする。
大切な〝約束〟を──。
しかし思い出そうとするとまた顳かみに頭痛が走った。
「…っ…!」
「いや、古い話を持ちだして悪かった。でも本当にあの森は色々と危ないんだぞ? お前は変態に攫われそうにはなるし、俺だって雷に撃たれて死にかけたんだからな!」
「え?」
自分があの森で攫われそうになったという話は何度も聞かされていたので知っている。それそこ全く覚えはないが。しかし、セィシェルが雷に撃たれたという話は初めて聞いた。
「正確には雷の〝側撃〟にだけどな。俺、スズを連れ戻すのに必死で近くで雷が鳴ってても気にしてなかったんだ」



