裏庭に降りると思いのほか気温が低く、寝巻き姿のスズランの身体は急激に冷える。それでも部屋に戻る時間が惜しい為そのまま森へと足を踏み入っていく。
静かな夜の森。秋の虫達がそれぞれに楽器を奏でるが、時折それをかき消す様に吹く強い風が森をざわつかせた。地面を巻き上げる風に応える森の樹々。突如闇夜を切り裂く豪風が吹き付け、足元がよろめく。
「っ…きゃ…！ だ、駄目っ」
その拍子に飛ばされそうになったマントをぎゅっと抱え込む。まるで森が侵入を拒んでいる様に思えた。
（これじゃ無理かも…）
明日、明るくなってから出直す事にして大人しく部屋に駆け戻った。
「…っくしゅん！ さ、さむい！」
冷たい指先で両腕を擦るも、芯からすっかり冷えてしまっている。このままでは風邪を引きそうだ。
何かで暖を取ろうと居間に降り、ミルクを温めた。吹きこぼれて半分になってしまったがカップに移して長椅子に腰をかけた。少々熱めのカップをかじかむ指先で持ち上げ少しずつ口をつける。それは喉を通るたび、凍えた身体を温めてくれた。
一息ついているとセィシェルが居間へと上がってきた。
「スズ…！ まだ起きてたのかよ。なんだよ、眠れねえのか？」
「あ、、うん…。少し」
静かな夜の森。秋の虫達がそれぞれに楽器を奏でるが、時折それをかき消す様に吹く強い風が森をざわつかせた。地面を巻き上げる風に応える森の樹々。突如闇夜を切り裂く豪風が吹き付け、足元がよろめく。
「っ…きゃ…！ だ、駄目っ」
その拍子に飛ばされそうになったマントをぎゅっと抱え込む。まるで森が侵入を拒んでいる様に思えた。
（これじゃ無理かも…）
明日、明るくなってから出直す事にして大人しく部屋に駆け戻った。
「…っくしゅん！ さ、さむい！」
冷たい指先で両腕を擦るも、芯からすっかり冷えてしまっている。このままでは風邪を引きそうだ。
何かで暖を取ろうと居間に降り、ミルクを温めた。吹きこぼれて半分になってしまったがカップに移して長椅子に腰をかけた。少々熱めのカップをかじかむ指先で持ち上げ少しずつ口をつける。それは喉を通るたび、凍えた身体を温めてくれた。
一息ついているとセィシェルが居間へと上がってきた。
「スズ…！ まだ起きてたのかよ。なんだよ、眠れねえのか？」
「あ、、うん…。少し」
