エリィはきりりと眉を上げてスズランの両手を掴むと美しく口角を持ち上げた。大きく落胆していたのはエリィの筈だが、何故か逆に励まされている。
「よし! そうと決まれば腹ごしらえよね! スズランちゃん、さっきの注文よろしくね!!」
「は、はい!」(あれ?)
注文の品を運ぶ傍からそれらを綺麗に平らげてゆくエリィ。その見事な食べっぷりに毎度の事ながら圧巻される。
「何よ、ライアったら全く! このあたしが柄にもなく身を引いたってのに……何か理由があるにしたって女を二人も悲しませるなんて許さないんだから!! 見てなさい、あたしにだって情報網という味方があるのよ…!」
エリィは何やらぶつぶつと独り言ちながらも舌鼓を打って「ご馳走様でした」と手を合わせた。
エリィの話の内容を鵜呑みにする訳ではないが、ライアがこの店に来ていたのは自分に会うためというのは事実なのだろうか。だとしたらその〝理由〟を知りたい。そして全く姿を見せなくなってしまった訳も……。疑問符が浮かんでは消えて行く。
不意に指先を唇へと運び、そっと触れる。
二度目の口づけの感覚が鮮明に蘇りスズランは頬を赤く染めた。
「……ライア」
無意識にその名を口にしていた。
「よし! そうと決まれば腹ごしらえよね! スズランちゃん、さっきの注文よろしくね!!」
「は、はい!」(あれ?)
注文の品を運ぶ傍からそれらを綺麗に平らげてゆくエリィ。その見事な食べっぷりに毎度の事ながら圧巻される。
「何よ、ライアったら全く! このあたしが柄にもなく身を引いたってのに……何か理由があるにしたって女を二人も悲しませるなんて許さないんだから!! 見てなさい、あたしにだって情報網という味方があるのよ…!」
エリィは何やらぶつぶつと独り言ちながらも舌鼓を打って「ご馳走様でした」と手を合わせた。
エリィの話の内容を鵜呑みにする訳ではないが、ライアがこの店に来ていたのは自分に会うためというのは事実なのだろうか。だとしたらその〝理由〟を知りたい。そして全く姿を見せなくなってしまった訳も……。疑問符が浮かんでは消えて行く。
不意に指先を唇へと運び、そっと触れる。
二度目の口づけの感覚が鮮明に蘇りスズランは頬を赤く染めた。
「……ライア」
無意識にその名を口にしていた。



