「そ、そうなんですか?」
「そうよ! ライアったらあたしがどんなに誘っても軽く笑顔で躱すだけ。どんな手を使っても、どんなに話しかけてもどこか上の空で……それに、あの素敵な色の瞳にはいつも貴女を映していたもの…」
「えっ、そんな事…」
「本当に気づいてなかったの? ライアは貴女に会いにこの店に通ってたのよ? 本人は違うって否定していたけれど、彼のあの眼差しは……あっ、ごめんなさい! あたしこんな、貴女のこと責めるような言い方するつもりじゃあ…」
「っ…平気です、ご注文は以上ですか? それじゃあわたし、これで…」
エリィから聞かされた話に胸がちくちくと痛みだす。どうしていいか分からない。とにかくこの居た堪れない空気から逃げ出したくてスズランは踵を返す。しかし手首を強く掴まれ、振り返るとその先には悲痛な面持ちのエリィがいた。
「待って! 逃げないでスズランちゃん。本当に何でもいいの、ライアの事で何か知ってるなら教えて!! 酒場に来れば会えると思ってたのよ、なのに…っ、あたし……こんな気持ちになったの初めてなの…」
「…っ!」
それはスズランも同じだった。毎日酒場に顔を見せるライア。待っていればいつでも此処で会えるものだと思っていた。
「そうよ! ライアったらあたしがどんなに誘っても軽く笑顔で躱すだけ。どんな手を使っても、どんなに話しかけてもどこか上の空で……それに、あの素敵な色の瞳にはいつも貴女を映していたもの…」
「えっ、そんな事…」
「本当に気づいてなかったの? ライアは貴女に会いにこの店に通ってたのよ? 本人は違うって否定していたけれど、彼のあの眼差しは……あっ、ごめんなさい! あたしこんな、貴女のこと責めるような言い方するつもりじゃあ…」
「っ…平気です、ご注文は以上ですか? それじゃあわたし、これで…」
エリィから聞かされた話に胸がちくちくと痛みだす。どうしていいか分からない。とにかくこの居た堪れない空気から逃げ出したくてスズランは踵を返す。しかし手首を強く掴まれ、振り返るとその先には悲痛な面持ちのエリィがいた。
「待って! 逃げないでスズランちゃん。本当に何でもいいの、ライアの事で何か知ってるなら教えて!! 酒場に来れば会えると思ってたのよ、なのに…っ、あたし……こんな気持ちになったの初めてなの…」
「…っ!」
それはスズランも同じだった。毎日酒場に顔を見せるライア。待っていればいつでも此処で会えるものだと思っていた。



