「あ、兄貴! 警備隊はまずいッスよ、此処は一旦…」
大男はふらつきながら立ち上がると今度はライアの顔をじっくり舐め回す様に凝視する。
「……貴様。何処かで見た顔だが思い出せねぇ! くそっ、退くぞ!」
「次に見つけたら容赦しない、早く此処から去れ」
ライアは何時もより低く唸る様な声で男たちを威嚇し早々に立ち去らせた。
「ちくしょう、、兄貴の手柄をっ! 野郎っ…覚えてろよっっ!!」
小男が訳の分からない事を吐き捨てたが、そんな事はどうでもよかった。男達が路地裏から去って行き、その姿が見えなくなって漸く安堵したのだ。同時に恐怖から小刻みに身体を震わせる。もしあのまま好き放題にされていたかと思うととても恐ろしくなった。身体が強ばって上手く呼吸できず、息が苦しい。
(っ……こ、こわかった)
ライアは何も言わずおもむろに振り向くとスズランの肩を抱きしめる様にして宥め始めた。はじめはその行為に戸惑ったがその優しい手付きにスズランの心は徐々に落ち着きを取り戻す。
(ライア……助けてくれた…、でもどうして)
暫くして呼吸も整い、冷静になると今度はライアに抱きしめられている事実に急激な羞恥心が沸き起こる。
「……あの、わたし…。もう大丈夫だから。……あ、ありが…」
大男はふらつきながら立ち上がると今度はライアの顔をじっくり舐め回す様に凝視する。
「……貴様。何処かで見た顔だが思い出せねぇ! くそっ、退くぞ!」
「次に見つけたら容赦しない、早く此処から去れ」
ライアは何時もより低く唸る様な声で男たちを威嚇し早々に立ち去らせた。
「ちくしょう、、兄貴の手柄をっ! 野郎っ…覚えてろよっっ!!」
小男が訳の分からない事を吐き捨てたが、そんな事はどうでもよかった。男達が路地裏から去って行き、その姿が見えなくなって漸く安堵したのだ。同時に恐怖から小刻みに身体を震わせる。もしあのまま好き放題にされていたかと思うととても恐ろしくなった。身体が強ばって上手く呼吸できず、息が苦しい。
(っ……こ、こわかった)
ライアは何も言わずおもむろに振り向くとスズランの肩を抱きしめる様にして宥め始めた。はじめはその行為に戸惑ったがその優しい手付きにスズランの心は徐々に落ち着きを取り戻す。
(ライア……助けてくれた…、でもどうして)
暫くして呼吸も整い、冷静になると今度はライアに抱きしめられている事実に急激な羞恥心が沸き起こる。
「……あの、わたし…。もう大丈夫だから。……あ、ありが…」



