男は薄ら笑いを浮かべながらスズランの胸元の釦に手をかけた。
「…いやぁっ」
その瞬間、パチッと乾いた音がなり男は手を引っ込めた。
「っ!?」
「あ、兄貴! 大丈夫ッスか?!」
「何だァ? 今のは静電気か? ふん。そんなもんどうだっていい」
「つ、次はもっとひどくするんだから! お願い離してよ!!」
「あァ? 何言ってんだ? 今の電気みたいなもんはお前がやったてのか?」
確信などない。ただの偶然かもしれないがそれでもスズランは負けじと言い放つ。
「そ、そうよ!」
「へぇ。やれるってならやってみろよ…!」
男の顔がゆっくりと近づいてくる。顔を背けるも恐怖と情けなさで涙が溢れそうになった。こんな事ならばセィシェルの言う通りに花屋の中に入れば良かった。いや、そもそも街に着いてこなければ良かったのだろうか。
「ぃ、や…」
もう限界だった。スズランの中で〝何か〟が爆発しそうな程に感情が高まった。
しかし───。
「ねえ、お兄さんたち何してるの? か弱い女性に大の男が二人掛かりでさ」
そう声を上げながら誰かが路地の奥に入って来たのだ。
「っ!?」「!!」
「っ…スズ、ラン!?」
「…いやぁっ」
その瞬間、パチッと乾いた音がなり男は手を引っ込めた。
「っ!?」
「あ、兄貴! 大丈夫ッスか?!」
「何だァ? 今のは静電気か? ふん。そんなもんどうだっていい」
「つ、次はもっとひどくするんだから! お願い離してよ!!」
「あァ? 何言ってんだ? 今の電気みたいなもんはお前がやったてのか?」
確信などない。ただの偶然かもしれないがそれでもスズランは負けじと言い放つ。
「そ、そうよ!」
「へぇ。やれるってならやってみろよ…!」
男の顔がゆっくりと近づいてくる。顔を背けるも恐怖と情けなさで涙が溢れそうになった。こんな事ならばセィシェルの言う通りに花屋の中に入れば良かった。いや、そもそも街に着いてこなければ良かったのだろうか。
「ぃ、や…」
もう限界だった。スズランの中で〝何か〟が爆発しそうな程に感情が高まった。
しかし───。
「ねえ、お兄さんたち何してるの? か弱い女性に大の男が二人掛かりでさ」
そう声を上げながら誰かが路地の奥に入って来たのだ。
「っ!?」「!!」
「っ…スズ、ラン!?」



