「……いや、笑って悪かった。そうだな、一般的に、ね。基本は同じ、男も女も関係ない。状況にもよるだろうが、愛しいと思うから相手の唇を奪う。当たり前の事だ」
「……そう、なの?」
「少なくとも、俺はそうだよ…」
警備員の思いのほか本気な返答に僅かな勇気が湧いてくる。スズランはライアを想い、ほんの小さな声で呟いた。
「本当に……そうなら、いいな…」
「ん? 今何か…」
「ううん……ありがとう。教えてくれて」
「……スズラン。冷えるからこれを」
警備員はそう言いながらおもむろに羽織っていたマントを脱ぎ、頭からふわりと被せてくれた。
「わぁっ!? そんな事したら警備さんが風邪ひいちゃうよ! わたしなら平気なのに」
マントから顔を出し警備員を見上げる。相変わらず逆光で顔が良く見えない。
「いいから……戻るまで着ててくれ」
「だって、これは…」
王宮の警備員なのだ。従ってこれはその制服のマントに違いない。
更に警備員は上着の懐から何かを取り出し、スズランへと手渡した。
「これを。戻ったらあたたかい飲み物と一緒に食べるといい。元気が出る」
「……これ、お菓子?」
「俺の姉の手作りだが、味は保証するよ」
「……そう、なの?」
「少なくとも、俺はそうだよ…」
警備員の思いのほか本気な返答に僅かな勇気が湧いてくる。スズランはライアを想い、ほんの小さな声で呟いた。
「本当に……そうなら、いいな…」
「ん? 今何か…」
「ううん……ありがとう。教えてくれて」
「……スズラン。冷えるからこれを」
警備員はそう言いながらおもむろに羽織っていたマントを脱ぎ、頭からふわりと被せてくれた。
「わぁっ!? そんな事したら警備さんが風邪ひいちゃうよ! わたしなら平気なのに」
マントから顔を出し警備員を見上げる。相変わらず逆光で顔が良く見えない。
「いいから……戻るまで着ててくれ」
「だって、これは…」
王宮の警備員なのだ。従ってこれはその制服のマントに違いない。
更に警備員は上着の懐から何かを取り出し、スズランへと手渡した。
「これを。戻ったらあたたかい飲み物と一緒に食べるといい。元気が出る」
「……これ、お菓子?」
「俺の姉の手作りだが、味は保証するよ」



