声から想像するに真面目で優しい人物なのだろう。ちゃんと顔を覚えて次に酒場に来た時は今日のお礼に沢山おまけをしようと思った。
不意に吹いた冷たい風に肌を刺激され、スズランは小さくくしゃみをした。
(さ、寒くなってきたかも。もう少し警備さんとお話ししたいのに…)
「そろそろ戻った方がいい。風邪なんて引かせたら君の家族に申し訳ない。特に、セィシェルと言う者はだいぶ君に過保護らしいからな」
「……う、ん」
既に警備員にまで知れ渡っているとは。過保護に育てられていると子供っぽく思われただろうか。やはり〝彼〟の目にもそう映っただろう。スズランはライアの事を思い出し、また少し悲しくなった。
「どうした? 何かあったのか?」
「……なんでもないの。今日はなかなか眠れなくてここに来たんだけど、警備さんに会えてよかった。わたしの他愛もない話、たくさん聞いてくれてありがとう。今度はちゃんと眠れそう」
「それは良かった。帰ったら身体をよく暖めるといい」
「うん、ありがとう……ねえ、警備さん。最後にひとつだけ、きいてもいい?」
「何だ?」
スズランはどうしても気になる事を尋ねようとひとつ思い切った。
不意に吹いた冷たい風に肌を刺激され、スズランは小さくくしゃみをした。
(さ、寒くなってきたかも。もう少し警備さんとお話ししたいのに…)
「そろそろ戻った方がいい。風邪なんて引かせたら君の家族に申し訳ない。特に、セィシェルと言う者はだいぶ君に過保護らしいからな」
「……う、ん」
既に警備員にまで知れ渡っているとは。過保護に育てられていると子供っぽく思われただろうか。やはり〝彼〟の目にもそう映っただろう。スズランはライアの事を思い出し、また少し悲しくなった。
「どうした? 何かあったのか?」
「……なんでもないの。今日はなかなか眠れなくてここに来たんだけど、警備さんに会えてよかった。わたしの他愛もない話、たくさん聞いてくれてありがとう。今度はちゃんと眠れそう」
「それは良かった。帰ったら身体をよく暖めるといい」
「うん、ありがとう……ねえ、警備さん。最後にひとつだけ、きいてもいい?」
「何だ?」
スズランはどうしても気になる事を尋ねようとひとつ思い切った。



