「そんな事言ってくれたの、警備さんが初めて……なんか、夢の人みたい」
「夢の人?」
「子供の頃から、よく見る夢なの。……その夢の人はね、お利口にしてたらきっと迎えに来てくれるって。そして一緒にパパを探してあげるって言っておひさまみたいに笑う素敵な人なんだ……。おかしいよね、こんな都合のいい夢を見るなんて。でも、ここがその夢に出て来る場所にすごく似てるから…」
そこまで親しくない人物なのに、何故この話をしてしまったのだろう。急にこんな話を振られても返答に困る筈だ。
「っ…何もおかしい事はない! 俺がもしその夢の人物でも同じ事を言う。だから……自分の事を捨てられたなんて…」
しかし不思議と熱心な言葉を返してくれる警備員にスズランの心はあたたかくなった。嬉しさを隠しきれず顔を綻ばせる。
「ありがとう! でもわたし今はぜんぜんさみしくないの。マスターもセィシェルも本当の家族みたいだし、警備さんだってやっぱりすごくいい人!」
「っ…」
「警備さん?」
月に背を向けており、逆光でどんな表情をしているか見え辛い。そう言えば毎回暗がりで遭遇するので警備員がどんな相好をしているかさえ知らない。
「夢の人?」
「子供の頃から、よく見る夢なの。……その夢の人はね、お利口にしてたらきっと迎えに来てくれるって。そして一緒にパパを探してあげるって言っておひさまみたいに笑う素敵な人なんだ……。おかしいよね、こんな都合のいい夢を見るなんて。でも、ここがその夢に出て来る場所にすごく似てるから…」
そこまで親しくない人物なのに、何故この話をしてしまったのだろう。急にこんな話を振られても返答に困る筈だ。
「っ…何もおかしい事はない! 俺がもしその夢の人物でも同じ事を言う。だから……自分の事を捨てられたなんて…」
しかし不思議と熱心な言葉を返してくれる警備員にスズランの心はあたたかくなった。嬉しさを隠しきれず顔を綻ばせる。
「ありがとう! でもわたし今はぜんぜんさみしくないの。マスターもセィシェルも本当の家族みたいだし、警備さんだってやっぱりすごくいい人!」
「っ…」
「警備さん?」
月に背を向けており、逆光でどんな表情をしているか見え辛い。そう言えば毎回暗がりで遭遇するので警備員がどんな相好をしているかさえ知らない。



