嬉しくなって自然と笑顔になるスズランにつられたのか、警備員の堅い雰囲気が少し柔らかくなった様に感じた。
「スズランは、酒場の仕事が好きなんだな……」
「うん! でも警備さんこそ、こんな遅くまでお疲れ様。それにこの森は警備さんが守ってくれてるんでしょ? だから、夜でもぜんぜん怖くなかったよ」
「……そうか」
「それにマスターは捨て子だったわたしの事を本当の娘のように育ててくれたの。だからたくさん働いて恩返ししなきゃ……」
そう言ってスズランは石橋の欄干に腰を掛けて空を見上げた。最高潮の月齢を迎えた月の強い光に照らされる。
「……」
捨て子……。
本当に捨てられたかどうかは定かではないが両親の記憶はほとんど残っていない。
ユージーンに拾われていなければどうなっていたか。少なくとも今の様な暮らしは考えられない所か、何処かで行き倒れていたかもしれないのだ。
「……ごめんなさい。こんな話して……警備さん、まだお仕事中なのに」
「いや、いいんだ。そんな事より君は捨て子などでは無い……きっと、何か理由があって君の事を迎えに来られないだけなんだ。だからそんな風に自分の事を…」
「スズランは、酒場の仕事が好きなんだな……」
「うん! でも警備さんこそ、こんな遅くまでお疲れ様。それにこの森は警備さんが守ってくれてるんでしょ? だから、夜でもぜんぜん怖くなかったよ」
「……そうか」
「それにマスターは捨て子だったわたしの事を本当の娘のように育ててくれたの。だからたくさん働いて恩返ししなきゃ……」
そう言ってスズランは石橋の欄干に腰を掛けて空を見上げた。最高潮の月齢を迎えた月の強い光に照らされる。
「……」
捨て子……。
本当に捨てられたかどうかは定かではないが両親の記憶はほとんど残っていない。
ユージーンに拾われていなければどうなっていたか。少なくとも今の様な暮らしは考えられない所か、何処かで行き倒れていたかもしれないのだ。
「……ごめんなさい。こんな話して……警備さん、まだお仕事中なのに」
「いや、いいんだ。そんな事より君は捨て子などでは無い……きっと、何か理由があって君の事を迎えに来られないだけなんだ。だからそんな風に自分の事を…」



