ずっと同じ体勢でいたので身体が硬直してしまった様だ。スズランは伸びをしながら壁の掛け時計を見やった。
「ん〜、っぅええ! もうこんな時間なの?」
読書に夢中になりあっという間に時が過ぎていた様だ。既に酒場も閉店している時刻。急いで部屋の明かりをおとし、ベッドに潜り込むスズラン。遅くまで起きていたらユージーンにも心配をかけてしまう。
しかし、瞳を閉じて何度寝返りを打っても一向に睡魔が来ない。眠ろうとしても先ほど読み終えた物語の余韻が残っているのかスズランの心臓はどきんどきんと弾み、いつまでも静かになってくれない。
同時に思い出してしまうのはセィシェルの悲しげな表情……それに、ライアとの口づけ───。
セィシェルとライア。
あの二人の間には一体何があるのだろう。どうやら初対面の時から知り合いの様だが、やけに仲が悪いのは何故なのか。そんな考え事は眠気を更に何処か遠くへ飛ばしてしまった。
スズランは諦めて瞼を薄く開いた。照明をおとした筈だが、傾いた月の光が窓から差し込みやけに明るい。
「わあ、まあるいお月様! 満月?」
スズランは思わずベッドから出て窓から月を眺めた。濃紺の夜空に浮かぶ望月を。
「ん〜、っぅええ! もうこんな時間なの?」
読書に夢中になりあっという間に時が過ぎていた様だ。既に酒場も閉店している時刻。急いで部屋の明かりをおとし、ベッドに潜り込むスズラン。遅くまで起きていたらユージーンにも心配をかけてしまう。
しかし、瞳を閉じて何度寝返りを打っても一向に睡魔が来ない。眠ろうとしても先ほど読み終えた物語の余韻が残っているのかスズランの心臓はどきんどきんと弾み、いつまでも静かになってくれない。
同時に思い出してしまうのはセィシェルの悲しげな表情……それに、ライアとの口づけ───。
セィシェルとライア。
あの二人の間には一体何があるのだろう。どうやら初対面の時から知り合いの様だが、やけに仲が悪いのは何故なのか。そんな考え事は眠気を更に何処か遠くへ飛ばしてしまった。
スズランは諦めて瞼を薄く開いた。照明をおとした筈だが、傾いた月の光が窓から差し込みやけに明るい。
「わあ、まあるいお月様! 満月?」
スズランは思わずベッドから出て窓から月を眺めた。濃紺の夜空に浮かぶ望月を。



