空に咲く花とキミを

「なんだい?」

「せっかく色々としてくれたのに、すみません。オレは迷惑かけてるから、このまま辞めたって構わないけど、そうすると華も辞めなきゃいけなくなるから…。」

「…。」

またそうやって、あたしのことまで直くんが決めてしまうの…?

「どうします?辞めた方がいいならすぐにでも出て行きますけど…まぁ、華の職場に穴あけちゃいますけどね。」

直くんの言葉に、松井さんの表情は真剣だった。

あたしは、ここまで聞いてやっと気がついた。

おとなしく謝っているのかと思いきや、直くんはあたしをダシに使って、自分の身を安全な場所に置こうとしているだけだった。

直くんが派遣会社を辞めて退寮すれば、当然一緒に来ているあたしも辞めざるを得なくなってしまうーーー休まず真面目に働いているあたしの職場からの評価はまずまず…そのあたしまで辞めることになるけどいいの?ーーー直くんは松井さんに、そう言っているのだ。

松井さんは難しい表情のまま、うーんと唸っていた。