空に咲く花とキミを

「原くん…残念だけど、職場から断られてしまったよ。」

そう言ったのは松井さん、あたしの仕事終わりに合わせて、寮まで来てくれていた。

あれから直くんは2日間仕事に出たのち、腰が痛いと言って3日間休んでいた。

そして、クビを宣告された。


あたしが心配していたことが、現実になってしまった。

「何とか見つけた異動先だったからね、同じ工場での異動はもう無理なんだ。」

直くんは予感していたのか、表情ひとつ変えずに松井さんの話を聞いていた。

そもそも直くんは、仕事ができないほどの腰の痛みを訴えておきながら、あたしがいない間に外出していた形跡があった。

おそらく外出先は…パチンコ屋さん。

直くんは、自分に甘いんだと思う。

やっぱり直くんは…直くんなのかな。


直くんに、仕事がなくなってしまった。

それなのに直くんの表情は、平然として余裕さえ感じられた。

「松井さん。」

直くんが、静かに口を開いた。