慣れない仕事は楽ではなかったけど、楽しいこともあった。

城間くんたち3人は、あたしが働くフロアで使う部品の供給をしているため、仕事中でもたまに顔を合わせたり、一瞬だけど会話ができる時もあった。

手を振り合うだけでも、まだ日が浅いあたしにとっては励みになっていた。

特に城間くんは、歳も近いことから話しやすい存在だった。


「華さん、大丈夫?キツくない?」

「うん、大丈夫!」

仕事中、あたしの作業場に部品を供給しに来てくれる時、城間くんはいつも気にかけてくれる。

「それなら良かった。」

そうして、少年のような笑みを浮かべる城間くんに、不覚にもきゅんとしてしまうあたしがいた…。


「華、ライター貸して?」

「大崎さんまた忘れたんですかぁ?」

休憩中に、みんなでコーヒーを飲みながら吸うタバコの味は格別で、1週間も経つと、あたしはここで働けて良かったと思えるまでになっていた。


直くんという、鎖につながれてさえいなければーーー。