「直くん…」

あたしは、おそるおそる話しかけた。

「なんだよ?」

「あのさ、明日は早いから…飲むなら、ここで飲まない…?」

直くんは少し考えてから、

「……それもそうだな。よし、酒買いに行くぞ」

あたしの意見を受け入れてくれた。

「うん」

良かった……明日から仕事だというのに、深夜まで付き合わされたんじゃたまらない。

前みたいに、もう職場には迷惑かけたくないから…。

ちゃんと、ノーと言えるようにならなきゃ。


始まったばかりの、直くんとの同棲生活。



あたしの運命が、大きく動き始めたーーー…。