空に咲く花とキミを

直くんの手には1枚の紙きれが握られていて、それは警察官経由で交換したバイクの運転手の連絡先だった。

「今後のやりとりに警察は介入しないから。保険屋通すなりして、きっちり決着つけなさい」

「はい」

「あぁそれと、嘘は良くないな。飲酒ももうするんじゃないぞ。車は置いて、タクシーでも拾って帰りなさい」

「はい。すみませんでした」

直くんは、素直に頭を下げていた。

「それと、免停と罰金は免れられないからな。後日通知が来るはずだから」

「…はい」


パトカーを見送ると、外の寒さに身震いがした。

「華、帰るぞ」

直くんは、自分の車に乗り込もうとしていた。

「え?待って、タクシー呼ばなきゃ…」

「何言ってんだよ、オレの車を置き去りにする気かよ」

飲酒運転で人身事故を起こして……それでも自らハンドルを握ろうとする直くんに、呆れや怒りや悲しみ、色んな気持ちが入り混じる。