空に咲く花とキミを

「飲んでません」

直くんがさらりと嘘をつくから、あたしは何も言えなかった。

すると警察官は、ため息まじりに直くんを見て言った。

「あのね、みんな最初はそう言うんだよ。でも検査したら全部わかっちゃうんだぞ?はい、膨らませて?」

そしてテレビでよく見る、膨らませてアルコールの数値を調べる風船と呼ばれる袋が、あたしたちの手に渡された。

「これが何だかわかるよね?」

警察官は淡々としていて、後を絶たないのだろう飲酒運転の対応にも慣れた風だった。

「すみません、飲みました」

「どのくらい?」

「ビール2杯くらい」

観念したのか、直くんはお酒を飲んだことを白状したけど、飲んだ量はビール2杯なんて生易しくはなかった。

お酒が好きな直くんは、ビールに始まり、焼酎、日本酒と何でも飲める。

「君は?」

「あ、あたしも2杯くらいです」