空に咲く花とキミを

「あの…ケガとか、していませんか?」

「どうかな…。あちこち痛いけど、折れたりはしていないみたい」

そう言いながらヘルメットを脱いだ彼は、直くんよりも少し歳上に見えた。

フルフェイスのヘルメットに加え、ライダースーツも着用している彼の完璧な装備に、あたしは心から感謝した。

もしかしたら家庭があって、子供もいるかもしれないーーーこの人と家族の未来を、台無しにしてしまわなくて本当に良かった。

「良かった…」

「君が運転してたの?」

「あ、いえ…」

あたしが直くんの車の方を見た時、ちょうど直くんが車から降りてあたしたちの方に歩いてきていた。


「華、救急車呼んだから…来るまで頼む」

そう言ったかと思うと、あたしたちの前を通り過ぎていった。

「直くん⁈」

「そこのコンビニに行ってくるから」

「え…?」

直くんが歩いていく方向、20メートルほど先に確かにコンビニが見えるけど…今から行くの?