空に咲く花とキミを

「な…なに?」

優しくあたしを撫でる直くんの手が、怖かった。

瞬時に、殴られたことや首を絞められたことを思い出して、ゾクっとする。

「最後に……な?いいだろ?」

言いながら直くんは、直(じか)にあたしの肌を触り始めた。

「……!」

怖かったけど…怖かったから、あたしは頷くしかなかった。

頷いて、目を閉じた。

城間くんの笑顔が、浮かんだーーー…。



「じゃあな、華。」

翌日、予定通り直くんを実家まで送ると、最後のダンボールを手にした直くんが、少し弱い声で言った。

「じゃぁ……。」

「元気でやれよ。」

「…うん、直くんも。」

静かにゆっくりと言葉を交わしてから、あたしは車を発進させた。

今あたしの頭の中にあるのは、”自由”という2文字だった。

空に浮かぶ雲が掴めそうなくらい、身体が軽くなったように感じていた。