空に咲く花とキミを

直くんが家を出て、1週間が過ぎた頃だった。

《今から帰る。》

仕事が終わり、部屋でまったりしていたあたしのケータイが震え、それを見たあたしも震えた。

「…っ…はぁ……っ!」

急に跳ねあがる心拍数と飛び出しそうな心臓を何とか鎮めようと、あたしは深呼吸を繰り返した。

落ち着け、落ち着けあたし…。

今から帰るとメールをしてきた直くんは、どの辺りにいるのだろう?

後どれくらいで寮に着くのか、聞いてみようか…。

あ、でもケータイ…新しいケータイの存在は知られたくない。

それなら、いつ帰ってきてもいいようにしておかなきゃ。

あたしはまず、ケータイの電源を切ってからクローゼットの奥に入れた。

ケータイは持っていないことにしよう。

だから、直くんからのメールも見ていないことにしよう。

「お風呂、入ろうかな…。」

いつも通りの生活をしていた方が、自然だ。