空に咲く花とキミを

「……。」

…噓みたいだった。


「華さん、どうしたの?」

シャワーの音に城間くんの声が混ざって、ポーっとしていたあたしを呼び戻した。

お風呂場は、さっきまで抱き合っていた部屋とは違って明るく、それにドキドキしながらも城間くんと一緒にシャワーを浴びていたあたしは、気付いたことがあった。

「何でもない!…えいっ!」

「ぉわ…っ!やったなー!」

「きゃーっ!」

それをごまかすために思わずシャワーを城間くんの顔にかけたあたしは、逆にやり返されることになり、そのままじゃれ合いが始まった。


噓みたい……。

直くんに首を絞められたあの日から、お風呂が怖くて仕方なかったのに……それを全く感じないのだ。

身体が軽いーーーあたしから直くんという鎖がほどけて、流れていくようだった。

浮気という、世間では許されない行いをしてしまったけど、あたしの中には幸せな気持ちが溢れていた。