空に咲く花とキミを

ということは、100パーセント直くんは部屋にいない。

またパチンコ屋さんにでも行ってるのだろうか…。

今日は、玄関に直くんがいつも履いている靴がなくて、心の底からホッとした。

今のあたしは、直くんにかける言葉が思いつかないから。

話す事もなく、恐怖を感じている相手と同じ空間で過ごす時間は、苦痛でしかない。

それに、新しく契約したケータイの存在を知られたくなかったから、本当にラッキーだ。

居間の電気をつけタバコをくわえたところで、あたしはテーブルの上に置かれた紙切れに気が付いた。

”気持ちをしずめるために、少しの間留守にします。車は乗っていきます。直樹”

「…。」

…ってことは、何日か帰ってこないってこと?

嬉しすぎるんですけど…!

「やっ……たぁ!」

あたしは、両手を上げて喜んだ。

それにしても車ごとだなんて、ホント自分勝手な人だ。