空に咲く花とキミを

「余計なお世話かもしれないけど、原くんは…仕事見つかったのかな。」

ケータイ屋さんまでの道のり、松井さんは営業車を運転しながら話を振ってきた。

「…。」

「もし困ってるなら、言ってくれれば紹介するから。原くんの気に入る仕事かどうかはわからないけど。」

何も答えなかったあたしから察した松井さんは、苦笑いしながら言った。

「ありがとう…ございます。」

あたしは素直にお礼を言った。


新しいケータイを契約して寮に帰り着いた時には、空に星が顔を出していた。

「ありがとうございました!ケータイ、機種変にしたんで番号変わっていませんから。」

「わかったよ。何かあれば連絡するから、木嶋さんも困ったことがあったら連絡してね。」

「ありがとうございます。お疲れ様でした。」

あたしは松井さんに丁寧にあいさつをしてから、車を降りた。

外は肌寒く日も短くなってきて、秋が深まっているのだと感じた。

赤や黄色の落ち葉を踏みながら、ふと素通りしようとした駐車場に目がいった。

あたしの車が…ない。