空に咲く花とキミを

直くんの精神状態は、狂言自殺をするほどまでにダメージを受けているのだから。

「華…。」

直くんに名前を呼ばれ、あたしはゆっくりと目を合わせた。

「オレは、もう疲れたんだよ。」

「………!」

キッチンの近くにいた直くんは、お水の入ったコップを置くと、今度は包丁を持ち出したんだ。

「死ぬんだ…死なせてくれよ‼︎」

包丁の先を自分のお腹に突きつけた直くんを、あたしは冷静に見つめていた。

「直くん…。」

一歩、直くんに近づいた。

「来るな‼︎」

それでもあたしは、近づいた。

「来るなよ…オレは死ぬんだ‼︎」

それは、直くんは本当に死ぬ気などないとわかっているから。

さっきのハンガーも、全てが狂言ーーー直くんのお芝居だ。

それに、昨日直くんに暴力を振るわれたことに比べたら、今の状況の方がいくらかマシに思えた。