空に咲く花とキミを

「な、直くん、死ぬだなんて…何でそんなこと……。」

あたしの言葉に、ゆらゆらと視線を動かす直くんの目は、曇って見えた。

「なんで?オレなんか…仕事もしてねーし、オマエからも別れたいだなんて言われるし。価値なくね?オレが死んだって悲しむヤツなんていねぇしよ。あ?」

「……。」

助けるなんて余計なことしやがってーーーそう悪態をつきながら首をさする直くんを見て、あたしは急に冷静に、冷めていった。


それは、気付いてしまったから。

直くんが死のうとしたのは、嘘かもしれないということに。

直くんは、死のうとして首にハンガーを巻きつけていたのだろうけど、その首にはハンガーの痕が少しもついていなかったんだ。

直くんの首は、少しも圧迫されていなかったんじゃないか……それじゃ呼吸が苦しくなることなんてないよね…。

どこまでも、かまってちゃんな直くん。

でも、あたしの別れ話がそうさせているのなら、責任を感じなくもない。