直くんに殴られたところや蹴られたところが、痛い。

引っ張られた髪の毛が、痛い。


いつも帰りの遅い直くんが、今日に限って早く帰ってくるなんて…。

最近直くんと顔を合わせていなかったあたしは、油断していた。

城間くんとのメールは全て消去していたのに、ここ数日分のメールは残したままだった。

それを見られてしまうなんて…暴力を振るわれたのは自業自得?

メールを消去しておかなかったあたしが悪いのかな…。

そんなことない…理由はどうあれ暴力は良くないことなんだから。

自分が悪いことにして直くんの怒りを収めようとするクセ、直さなきゃな…。

「…。」

今日は、居間で寝ようかな。

でもそんなことをすれば、きっと直くんは怒るだろう。

あたしは立ち上がり、カーテンを少しだけよけて空を見た。

うっすらと雲がかかっている空の隙間から、少しの星たちが輝いていた。

城間くん……会いたい。