空に咲く花とキミを

でもこのままお風呂に居続ける訳にもいかない、あたしはそろりと静かにお風呂から出た。

「…。」

居間に行くと直くんの姿はなく、あたしの強張っていた身体が少しだけほぐれたのが、歩く足先から伝わってくるようだった。

シャワーに濡れたケータイは、電源など入る訳もなく、ただの鉄の塊になってしまった。

何かあっても、助けも呼べない状態。

とても、孤独に思えた。


お茶を飲みながらタバコを取り出し、ケータイを見つめる。

あたしにとって精神安定剤的な役割を果たしてくれているタバコ…やめられそうもないな。

カタカタと、今頃になって身体が震えだし、タバコに上手く火がつかない。

恐い…今でもまだ、こんなに恐い。

それでも直くんに思いを伝えられたことは、大きな前進に繋がるかもしれない。

ケータイは、直くんに内緒で契約しよう。

「…痛い。」

あたしは、蚊の鳴くような声で呟いた。