空に咲く花とキミを

「別れて…。」

さっきは、このまま直くんに殺されてしまうのだという恐怖と、その覚悟をした。

力で抑えつけられたら、絶対に敵わない。

死ぬほど恐かった。

だからこそ、伝えなきゃいけない。

「お金…もういいから。だから別れて‼︎」

死んでしまったら、何も言えなくなってしまうのだから。


「華。」

名前を呼ばれおそるおそる顔を上げると、飼い犬に手を噛まれたかような表情の直くんと目が合った。

「頭を冷やせ。」

そう言って直くんは、お風呂の扉を閉めて出て行ってしまった。

頭を冷やせ…?

あたしは、今まで直くんに言いたくても言えなかったことを口にしただけ……冷静だよ。

逆上して、感情に任せて別れを切り出したとでも思っているのかな…。

「う……ぅ…あ……うぅ…っ。」

直くんがいなくなったお風呂場で、あたしは声を押し殺して泣いた。