空に咲く花とキミを

「うん。前に言ってた俺の好きなレゲエの曲。」

「そうなんだ。歌詞はよく聴こえないけど、曲はいいね。」

「でしょ?歌詞も超いいんだよ!」

明るく話す城間くんが嬉しそうで、あたしも嬉しくなる。

それからしばらくの間、あたしたちは何でもない話をしていた。

何でもない話でも、城間くんの口から出てくる一語一句が、優しく心に響く。

夏の終わりの夕暮れに風鈴が鳴っているーーーそんな光景に似た優しさ。


「じゃあ華さん、また明日。」

「うん、また明日。バイバイ。」

城間くんと話し終えた時には22時を過ぎていたのに、直くんはまだ帰ってこなかった。

そのおかげでたくさん話ができたけど…直くんはまだパチンコ屋さんにいるのだろうか。

メールも来ていない。

あたしは直くんに、先に寝るとメールをしてから布団に入った。

「…。」

寝る前に、城間くんとのメールを消去した。

そうしたい訳ではないけど、仕方なかった。