空に咲く花とキミを

「自分の中で、彼女の死を本当に受け入れられるようになったら、帰ろうと思ってる。」

今はまだ逃げてるだけなんだよね。って言いながらタバコに火をつけた荒木さんから、あたしは目が離せなかった。

荒木さんの苦悩や葛藤といったら、あたしなんかの比ではないのだろう……。

みんなきっと、大なり小なり事情を抱えている。

荒木さんの話を聞いたあたしは、安易な気持ちで城間くんにも聞かない方がいい気がしてきた。

てか単純に、聞くのが少し怖くなってきた。

「荒木さんっ!飲みましょうよ!奥さん、すごく愛されてて羨ましいです!」

「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて飲もうかな。」

あたしが明るく言うと、荒木さんは穏やかに微笑んだ。


「荒木さん。」

「うん?」

それまで黙っていた直くんが、機嫌よく話し始めた。

「オレ、空手をやってたことがあるんですけど。ついでに言うと、古武術も。」

「へぇ。」